現代社会では膨大な量の情報を処理することが必須です。人間の能力もそうですが、コンピューターの普及と発展によって扱う情報量はどんどん増大しています。HPCとはそうした膨大なデータの処理を高速で行うことを指します。主な活用例としては気象災害のシミュレーションやビッグデータの解析などがあげられます。
日本が開発したスパコン富岳が2020年に世界一になったことで注目度が増しました。これまでのコンピューターの歴史では優れた部品が次々と開発されることによって性能を高め続けてきました。しかし近年になって部品の性能が頭打ちになりつつあったのです。そのため処理能力を上げるためにはコンピューターを並列化させるなどの方法で解決を図りました。
そうするとその分巨大化したり、広いスペースを用意しないといけません。そうした現状を打破することが期待されているのがHPCです。現在の天井を打ち破ってより高い性能を発揮することが期待されています。また、膨大なデータを処理するという点では量子コンピューターへの適応も見込まれています。
量子コンピューターは量子もつれや重ね合わせといった概念で計算速度を飛躍的に向上させることを目指すものです。膨大なデータの処理を高速で行うHPCとは非常に相性が良いと考えられています。これまでは組み合わせの数が天文学的な数字になり、物理的に計算が不可能だとされていた問題に対しても有効になることが期待されています。